古典的なカウンセリングは、受容と共感から成り立っています。
受容というのは、文字通りクライアントを受け入れるということです。
カウンセラーは「あなたの言葉を受け取りましたよ」という態度でクライアントと接します。
共感というのは、共に感じる。
カウンセラーは、「あなたが感じていることを、私も一緒に感じていますよ」という態度でクライアントと接します。
古典的なカウンセリングのキモは、「聴く技術」なわけです。
「聴く技術」はそれだけで一冊の本になります。
NLPの中にも「聴く技術」みたいなものがあります。
NLPの場合、カウンセリングで言う「聴く技術」を、「クライアントとの信頼関係を構築するためのスキル」として使います。
長ったらしいですね。
「クライアントの信頼関係」のことを専門用語で「ラポール」といいます。
「ラポール構築技術」とでも言ったらいいのでしょうか。
カウンセリングとNLPでとらえ方が違うのは、おかしいと感じるかもしれません。
カウンセリングの「聴く技術」の目的が、クライアントとの「ラポールの構築」だと言うことが分かってもらえれば、理解してもらえるでしょう。
カウンセリングの目的は、もちろんクライアントの問題を解決することです。
そのためには、クライアントが無意識の下に持っている自分でも気づかない問題の原因を言葉にして外に出す必要があると考えます。
誰でも、初めて会った知らない人に本心を話すことはないですよね。
深い話ができるようになるためには、お互いに信頼関係が必要です。
この信頼関係こそ「ラポール」です。
カウンセリングでは「受容と共感」で「ラポール」を構築しようとします。
NLPでは「受容と共感」にこだわりはありません。
要はラポールを構築できれば良いんです。
カウンセリングの中でカウンセラーが使っている「聴く技術」。
NLPの中で「ラポールを得るための技術」。
それを、「ペーシング」と言います。
カウンセリングの中でも優秀なカウンセラーはNLPのスキルを使っているということです。
元々NLPは、優秀なセラピストのやり方を分析してつくられたものですから、言い方が逆なのかもしれませんが・・・